中古車販売店などで、新車と間違うようなきれいな車がナンバー付きで、複数並べられているのを見たことはないでしょうか。そういった車のほとんどは未使用車（新古車）と呼ばれる車で、新車とほとんど変わらない状態で販売されています。

本記事では、なぜ未使用車（新古車）は新車よりもお得に買うことができるか、そして、未使用車を購入する際に役立つ値引きをするコツについても解説していきます。

未使用車とはどんな車？新車とはどう違うの？

未使用車とは、ディーラー名義で買われた自動車の名称を指します。
一般的に新車を買う際は、購入者の名義で行いますが、さまざまな理由で一時的に新車ディーラーが自動車を買取り、自社名義にする場合があります。

未使用車の名前がなぜ存在するのか

自動車メーカーが生産した新車は、各地方の企業が運営する新車ディーラーへと運搬されて、そこで一般消費者に向けて販売されます。自動車メーカーとディーラーは別々の会社が運営しているため、両社の間にはさまざまな取り決めが存在します。

その取り決めの一つとして、新車の販売台数に関する取り決めがあります。取り決められた販売台数をクリアすることによって、報奨金がディーラーに支払われる仕組みになっています。仮にこの台数に到達できない場合、ディーラーにとっては大きなマイナスとなるため、ディーラーは自社名義にしてでも販売台数を確保します。
その結果、ディーラー名義には登録はしてある車ですが、まったく使用していない車が、未使用車として残るという仕組みです。

新車と未使用車の違い

新車は工場で生産されてから、一度も登録をされていない車のことを指しますので、走行していない状態でも、登録をしている車は新車と呼びません。実際には、登録を済ませても一般公道で使用されたわけではないため、車両の状態的には新車とほぼ同じと言えます。

未使用車の値引き術やコツとは？

未使用車の購入をする際には、新車の値引きや中古車の値引きとは異なる特殊な値引きポイントが存在します。
未使用車が生み出される理由や、特徴をよく理解して、値引きを引き出すことがポイントと言えます。

未使用車が出回りやすい時期を狙う

車の値段も需要と供給で成り立っており、未使用車が多く在庫としてあれば、当然値引きされる可能性も高くなります。多くのディーラーは3月と9月が決算時期で、その月内に販売から登録まで済ませようと必死に営業活動を行います。

未使用車についても、3月と9月の月内に登録されるため、決算月の直後は未使用車が多く発生しやすいタイミングなのです。つまり、4月と10月をターゲットとして、近くのディーラーなどを回ることも安く購入できる方法とも言えます。

走行距離が多い車を狙う

未使用車の多くは、数km～数十km程度しか走っておらず新車の状態に近い車が多いのですが、稀にキャンセルや車両の自走移動が発生した場合で、数百km程度走行している未使用車があります。
そのような車両は、当然細かい傷なども発生しやすくなるため、交渉次第では値引きをしてくれる可能性が高くなります。

値引きした未使用車を購入後かかる費用

未使用車で新車と比べて購入費用を抑えられるとはいえ、購入時には車両価格の他にも諸費用が発生します。ここでは、それらの諸費用について車両価格131.6万円の1,200ccクラスの車両を例に取って詳しく解説していきます。

消費税

消費税については、2019年10月より10%に増税されたため、車両価格131.6万円の場合は131,600円が消費税になります。
この消費税増税に伴って、自動車に関連する税金の仕組みが大きく変更されることになりました。

環境性能割

消費税増税時に合わせて行われた最も大きな変更点に、従来あった自動車取得税が廃止され、2019年10月より、環境性能割という新しいシステムが始まったことがあります。
2020年9月末まではこの環境性能割で、税が非課税もしくは軽減されるため、購入を検討されている方は、早めに買うのも一つの手です。

自動車税

新車の自動車税についても、2019年10月より減税となりこのクラスの車両に対しては減税前の34,500円から、年間4,000円の軽減で年間30,500円となりました。
自動車税は、毎年5月に年度分を納める仕組みなので、未使用車を購入した月から3月までの残月数分を負担するのが一般的です。

まとめ

今回は、未使用車が発生する仕組みをはじめ、未使用車の値引き術やコツ、未使用車を購入後かかる費用についてまとめてきました。
確かに、未使用車は一度登録されている分、新車よりも値引きされていますが、重要なのは新車と比べていくら金額的なメリットがあるかという点になります。

新車と未使用車のそれぞれの見積もりを見比べて、自分に最適な選択をすることが重要と言えます。