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なぜドライブレコーダーが事故防止に有効?

ドライブレコーダーの映像を事故防止のために活用するようになって、早18年になります。
映像を使用した事故防止は、コンサルティングの核にもなっていますし、研修を受けて下さっているお客様の会社でも非常に大きな効果を出し続けています。
ドライブレコーダーの映像は、使い方を間違えてしまうと効果が出ませんが、コツをつかむと莫大な事故防止の効果が出ます。
今回は、なぜドライブレコーダーが事故防止に有効か、をお話していきたいと思います。

証言と事実の違い

ポイントは2つあります。

「事故の事実確認が正確にできること」そして「正確な指導ができること」です。

1つ目の「事故の事実確認が正確にできること」ですが、ドライブレコーダーがない頃は、事故当事者や目撃者等の証言に基づいて事故分析をするしかありませんでした。しかし、その証言は事実ではないかもしれないのです。

たとえば、加害者となったトラックドライバーが「人が飛び出してきた」と証言した事故がありました。右折する際、歩行者に接触してしまった事故でした。

しかし、事故映像を確認すると、普通に歩行者が横断歩道を歩いていました。左側から右側へと横断歩道を渡っている歩行者が、接触する5秒も前に見えている。車の前に飛び出したりしていないのです。

ドライブレコーダーの映像がなければ、ドライバーの証言から「人が飛び出した場合」の対策を立てることになりますが、事実は「ドライバーの見落とし」が事故原因ですから、人が飛び出した場合への対策は事故防止に有効に働きませんよね。同じ事故を引き起こしてしまう可能性を残してしまいます。

当事者が事故の時に感じた主観的な事柄だけでは、本当の事故原因に対する防止策が立てられません。

ドライブレコーダーは事実を見せてくれます。事故の時に実際は何が起こっていたのかが明確になるのです。

原因に合わせた正しい指導

事故状況と原因が分かれば、2つ目のポイントである「正確な指導」が実現します。

先ほどの事例でお話しすると、事故の時、なぜドライバーは人が飛び出してきたと感じたのかを映像から分析します。

ドライバーは右折の際に横断歩道手前で右側を見てしっかりと巻き込みの確認をしながら車を進めました。しかし、通常であれば目の前に人がいる時には巻き込み確認をしながらアクセルを踏むという行動は取りません。ドライバーは左前に歩行者がいないと思っているから、そういう行動を取ってしまったわけです。

なぜ左側に人がいないと思ってしまったのか。

右折を開始する時に一度、横断歩道上の確認をしています。ただし、この時には接触した歩行者と自分の目線の間にピラーとミラーがあったため、死角が出来てしまっていたのです。ドライバーのその死角に、歩行者がいました。それで左側には人はいないと思い込んでしまった。

つまり事故原因は死角に気付かなかったことにあります。

最初に横断歩道上を確認した時に、体をずらして死角をなくした確認方法を取るべきでした。これが事故原因をなくすための正確な指導のポイントですね。

この事故ではもう一点、指導ポイントがありました。それは右折の際にショートカットをしない曲がり方をするという事です。

道路交通法では、第34条において右折をする時のショートカット、いわゆるハンドルを早く切る行為は禁止されています。

道路交通法 第34条 第2項
自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。

道路交通法で定められているルールには、必ず理由があります。そしてそれを守る事が、事故防止に非常に大きな役割を果たすのです。