溝はあっても「カチコチタイヤ」はNG! タイヤの硬化はどう確認する?
乗り心地や見た目でもある程度判断することができる
ゴムを主原料としたタイヤは生モノと言っていい。溝といった物理的なもの以外に賞味期限があるということだ。極端なことを言えば、まったく使わずに見た目は新品のままでも、経年劣化は確実に進んで、カチカチの状態になってしまう。もちろんこうなれば溝が残っていても、寿命なので使用しないほうがいい。実際にもよく言う、タイヤが硬くなってきたという状態で、ゴムから油分が抜けるなどが原因となっている。
ただし、硬いという判断は難しいのも事実で、日ごろから乗っていると徐々に進行するのでなおさらわかりにくい。まずフィーリングから判断する場合は、路面にある小さな段差や駐車場から出るときなどの衝撃で判断する。ゴツゴツしてきたら、硬化が始まっていることが多い。そのほか、硬さに直接関係はしないが、雨の日に今まで滑らなかったところでも滑るようになったというのも判断材料のひとつになる。
見た目でも判断はできて、細かいヒビ割れが発生しているようなら硬化は起こっていて、原因としては気温などで単純に油分が抜けるというのもあるし、紫外線の影響も大きい。さらにオゾンクラック(オゾン劣化)という現象もあって、これは空気中のオゾンとゴムが反応して起こる劣化だ。ゴムの種類によって影響の度合いは違うし、タイヤには防止剤が配合されているが、それでも劣化するし、タイヤワックスで流れ出てしまい効果が薄れてしまうこともある。
一方、スタッドレスタイヤは使用期間が限られているので、夏タイヤに比べると溝がなくなる前に硬化が顕著になることは少ない傾向にある。この場合は硬度計という専用の測定ツールを使って測って判断する。もちろん一般ユーザーにとって簡単に手に入るものでもないし、持っていても使用頻度は少ないので、専門店で点検してもらったほうがいいだろう。
夏タイヤ、スタッドレスともに、空気圧や表面の状態確認など、日ごろからの点検が大切ということ。よく言われるようにタイヤの接地面積はハガキ1枚。命を預けていると言っても過言ではないだけに、乗りっぱなしにしてはダメだ。