エンジン車よりも大変?電気自動車が「電欠」したらどうなるのか
車両が動くうちに危険の少ないところに移動させる
エンジンを搭載している車両で燃料がなくなる「ガス欠」と同じように、電気自動車でもモーターを駆動させる電力がなくなると「電欠」状態になって走行することができなくなってしまう。
エンジンを搭載している車種であれば、ロードサービスなどに燃料を携行缶で運んでもらって給油すればすぐに再始動して走行することができるのだが、簡単に持ち運ぶことができない電気となるとそうもいかなくなってしまう。
もちろん昔のMT車のようにギヤを入れたままセルを回して強制的に移動させることもできないし、手押ししようとしても大量のバッテリーを搭載している電気自動車は重量が重く、なかなか安全なところまで移動させるのは苦労してしまうだろう。
ただ、電気自動車はバッテリーがゼロになる前に出力制限モードに入るモデルがほとんどで、そうなるとメーター上に亀のアイコンが表示され、一定以上のパワーや速度が出ないようになる。
この状態になると電欠間近ということになるので、まだわずかに車両が動くうちに停止しても危険の少ない場所に移動させるというのがマストな行動と言えるだろう。
そして完全に走行ができなくなってしまったら、もうドライバーとしてできることはないので、速やかにハザードランプを点灯し、ロードサービスに連絡をしてレッカーを待つしかない。
ロードサービスに関しては、JAFのほか任意保険に付帯されているものや、電気自動車の充電会員サービスとしても付帯されている場合があるので、つどベストなものをチョイスしよう。
ちなみにモーターを駆動させる駆動用バッテリーがゼロになってしまっても、ハザードランプやナビなどの電装品を稼働させる12Vバッテリーは別回路で生きているので、周囲に存在を知らせるためにもハザードランプの点灯はマストだろう。
ただし、12Vバッテリーも上がってしまうと駆動用バッテリーに充電しても車両を起動させることができなくなってしまうので、レッカーを待つ間車内でナビやテレビを見るという行為はオススメできない。
なお、高速道路上では燃料や冷却水、オイルの不足によって当該自動車を運転することができなくなることを防止する措置を取らなければならないと道路交通法第75条の10に記載されているため、電気自動車が電欠で走行不可になった場合も違反となる可能性があるので、とくに注意したいところだ。