EVのバッテリーは「急速充電」の繰り返しで「劣化」が早まるのか?
2回連続で急速充電などは避けたほうがいい
地域差はあるかもしれないが、最近はそこまで珍しい存在ではなくなりつつある電気自動車。週末のパーキングエリアの充電器には充電をしている車両が目に付くようになってきた。
こういったサービスエリアや公共施設、そしてディーラーにある充電設備のほとんどは「急速充電」といわれるものであり、家庭用の200V充電コンセントの10倍以上の出力で充電ができるもの。そのため、たいていの場合は1回30分の設定ながら、ある程度の距離が走れる量は充電できてしまうのだ。
そこで気になるのが、バッテリーの劣化である。普通充電に比べて大容量の電気を一気にバッテリーに送り込む急速充電は、話を聞くだけでもバッテリーへの負担が大きそうに感じるが、実際のところはどうなのだろうか?
じつのところ、バッテリーが劣化するもっとも大きな原因は温度であり、バッテリー温度が高くなればなるほど劣化しやすくなってしまう。そしてもちろん急速充電で一気に電力を供給することでバッテリーは熱を持ちやすくなるので、普通充電を使うよりは劣化しやすくなるというのが偽らざるところだ。
そのため、高速走行を続けてバッテリーが熱を持ったところで急速充電をする、という行為がもっともバッテリーへの負担が大きくなるので、サービスエリアの急速充電器で充電をしながらの遠出はあまりオススメできないのである。
とはいえバッテリー側も進化しているので、最近のモデルであれば頻繁に高温になるまで酷使しなければそこまで影響はないようだが、充電待ちがないことをいいことに2回連続で急速充電する、といったようなことは避けたほうがいいだろう。
一部の電気自動車では、バッテリーを冷却水を使って冷やしたり、エアコンの冷媒のようなもので強制的に冷却する装置を備えるものもある。そういった車種であれば急速充電をしたときの負担も少なくなるので、より安心して充電できるハズだ。